AI 2026.07.28 読了 約20分 / 9,703字 著者:石田 美乃 SHARE

AI活用できない本当の理由はデータにある

AI Readiness診断の5つの観点


はじめに

AIを活用したいと考えたとき、多くの企業がまず思い浮かべるのはChatGPTやGeminiといったチャット型AIの利用だろう。だが、社員が個人的にAIチャットを使っている状態と、AIがMA・SFAなど既存の業務システムに組み込まれ、スコアリングや次アクションの提案を人に代わって(あるいは人を支援して)自律的にこなす状態とでは、得られる成果がまったく異なる。本来のAI活用とは後者を指す。

こうした本来の意味でのAI活用に踏み出そうとした企業ほど、「精度が低く実用に至らない」「学習に使えるデータが想定より少なかった」という壁に直面しやすい。

McKinsey(2025年)の調査によれば、AIを何らかの機能で活用している企業はすでに88%に達している。一方でEBIT(営業利益)への影響があったと回答した企業は39%にとどまり、導入企業の過半数において成果につながっていない実態がある。

この乖離の背景にあるのは、多くの場合ツール自体の問題ではなく、AIが正確に処理できる状態になっていないデータ構造の問題だ。Precisely とドレクセル大学LeBow経営大学院が世界のデータ/アナリティクス専門職565名以上を対象に実施した調査(2024年)では、自社のデータがAI活用に十分な品質とアクセス性を備えていると答えた企業は12%にとどまる。

本記事では、BtoBのMA・SFAデータがなぜAI活用の前提条件になるのかを整理したうえで、自社のAI Readiness(AIレディネス)を確認するための5つの観点を解説する。「AI活用を検討しているが、どこから手を付けるべきかわからない」という段階にある方は、本記事を現状把握と優先順位の整理の入口として活用してほしい。

AI Readinessとは、AIをツールや業務プロセスに組み込んで成果を出せる状態(AI Ready)に、自社がどれだけ近いかを示す準備度のことだ。BtoBにおけるセールスマーケティングの領域におけるAI Readyな状態とは、具体的には、①MA・SFA間でフィールドの定義・粒度が統一されている、②システム間でデータが双方向に連携している、③必要な担当者がリアルタイムに参照できる、④更新ルールと管理責任者が明確である、⑤AIに何を解かせるかという目的とKPIが定義されている——この5条件を満たしてAI Readyな状態に至って初めて、AIは正確に機能しビジネスの成果に結びつく。


なぜAIプロジェクトは「使えないデータ」で失敗するのか

ここでいう「使えないデータ」とは、量や入力の正確さが足りないデータのことだけではない。システムごとに分断されたまま統合されていないデータ、定義や粒度がバラバラで意味を失ったデータ、あるいはAIが学習・推論の材料として参照できる形になっていないデータのことを指す――AIにとっては実質的に存在しないデータと同じ状態を指す。

失敗の実態を数字で見る

「使えないデータ」がもたらす影響は、印象論ではなく複数の調査で裏付けられている。プロジェクトの行き詰まり、その原因、そして結果として得られている成果の少なさ――三つの角度から数字を見ていくと、根っこにある問題が浮かび上がる。

①どれだけのプロジェクトが行き詰まるか。 Gartnerは2025年2月、AI-readyなデータに支えられていないAIプロジェクトを、2026年までに企業が60%断念すると予測している。同社が2025年11〜12月にITインフラ・運用(I&O)部門のリーダー782名を対象に実施した調査でも、AIのユースケースのうちROIの期待を完全に満たしたものは28%にとどまり、20%は失敗に終わったと報告されている(いずれもGartnerの発表として複数媒体が報じている数値)。

②なぜ行き詰まるのか。 同じ調査で、AIプロジェクトが失敗した直接の原因として「データ品質の低さ・データ可用性の不足」を挙げたリーダーは38%に達した。冒頭で触れた「自社データがAI活用に十分な品質とアクセス性を備えている企業は12%」という数字と重ねると、多くの企業がデータの整わないままAIを動かそうとしている構図が見えてくる。

③その結果どうなるか。 BCGが世界1,250名の経営層・AI意思決定者を対象に実施した調査「The Widening AI Value Gap」(2025年9月)では、AIの価値をスケールで創出できている「future-built」企業は全体の5%にとどまり、逆に売上・コストの両面でほとんど成果を得られていない企業が60%を占めた。データが整わないままプロジェクトを進めた結果、成果を刈り取れている企業はごく一部にすぎない。

三つの数字をつなげると見えてくるのは、AIプロジェクトの成否を分けるのは主にモデルの性能やツールの機能ではなく、そのAIが参照するデータの状態であるということだ。

「AI搭載ツールを入れれば動く」という誤解

AIが搭載されたツール(AIツール)を導入すれば、データの問題まで解決してくれるという期待は多くの場合裏切られる。AIツールはデータを処理する仕組みであって、整備する仕組みではないからだ。AIは入力されたデータの構造をそのまま学習・参照するため、フィールド定義の乱れやシステム間の分断を抱えたデータを入力しても、その歪みごと学習してしまい、出力の精度は上がらない。

この問題は、AIの活用領域が広がるほど深刻になる。自律的にタスクを実行するAgentic AI(AIエージェント)は、人が一件ずつ確認しないまま複数のシステムを横断してデータを読み書きするため、フィールド定義の乱れやシステム間の連携の欠落が、そのまま判断の誤りとして表面化する。AIがより高度な判断を行うほど、その判断の土台となるデータの質が問われる構図だ。

ツールの選定や導入よりも先に、AIが正しく機能するためのデータ基盤を整えることが、プロジェクトの成否を左右する。次章では、BtoBのMA・SFAデータがこの問題においてとりわけ注意が必要な理由を整理する。


BtoBのMA/SFAデータが特に危ない理由

「データ品質論」では捉えられないBtoB特有の問題

データ品質の問題といえば、一般的には「重複レコードが多い」「入力が古い」「表記が不統一」といった観点で語られることが多い。これらは確かに重要な問題だが、BtoBの営業・マーケティング組織が直面するデータの課題は、もう一段構造的なところにある。

BtoBのデジタルマーケティング基盤は、多くの場合MA(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)という2つのシステムを中心に構成されている。MAはリードの獲得・育成・行動トラッキングを担い、SFAは営業活動、商談の管理・進捗・受注情報を管理する。それぞれのシステムは独立した設計思想を持ち、異なるタイミングで導入されることも多い。

結果として、MAとSFAは「同じ顧客・商談を別の言語で記録している」状態になりやすい。リードのフィールド定義が両システムで異なる、スコアリングが商談フェーズの実態を反映していない、MAのコンタクトとSFAのアカウントが正しく紐づいていない──こうした構造的な不整合が、BtoBデータの本質的な問題だ。

MA/SFA間の断絶が引き起こす連鎖障害

MA/SFA間のデータが分断されている状態では、具体的にどのような問題が起きるか。代表的なものを整理する。

スコアリングが実態から乖離する。 MAのリードスコアは、メール開封やページ閲覧といった行動データをもとに算出される。しかし商談フェーズの進捗やSFA上の失注理由がMAに戻ってこない場合、スコアは行動量を反映するだけで購買意欲の実態を示さなくなる。営業が「スコアの高いリードが実は見込みが薄い」と感じ始めると、MAのスコアリング自体への信頼が失われる。

受注・失注データがAIの学習に使われない。 AIによるリード予測モデルや次のアクション提案を構築するには、「どのリードが最終的に受注に至ったか」というデータが不可欠だ。しかしSFAの受注・失注情報がMAに連携されていなければ、AIはファネルの前半のデータしか学習できない。これでは予測の精度に根本的な限界が生じる。

アトリビューションが成立しない。 マーケティング施策のどの接点が受注に貢献したかを分析するには、MAの行動データとSFAの商談データを突き合わせる必要がある。両者が分断されている状態では、マーケティングのROIを正確に算出することができず、予算配分の根拠を示せないままになる。

これらはいずれも「データの精度」ではなく「データの構造」に起因する問題だ。入力の正確さをいくら高めても、システム間のデータフローが設計されていなければ解決しない。次章では、こうした構造的な問題を診断するための5つの観点を具体的に解説する。

左にMA(リード獲得・行動データ)、右にSFA(商談管理・受注・失注)の箱を並べ、MAからSFAへ向かう細い実線の矢印に「リード連携|実装済み」、SFAからMAへ戻る薄いグレーの破線の矢印に大きな×と「受注・失注の戻り|未連携」を示した対比図。受注・失注のデータがMAへ戻っていないことを表している。
左にMA(リード獲得・行動データ)、右にSFA(商談管理・受注・失注)の箱を並べ、MAからSFAへ向かう細い実線の矢印に「リード連携|実装済み」、SFAからMAへ戻る薄いグレーの破線の矢印に大きな×と「受注・失注の戻り|未連携」を示した対比図。受注・失注のデータがMAへ戻っていないことを表している。

AI Readiness診断の5つの観点

自社のAI Readinessを把握するには、「データ品質」という大まかな括りではなく、具体的な観点に分解して現状を確認する必要がある。ただし観点を分解する前に、それらが最終的に何を実現するための点検なのか――MA・SFAデータの「あるべき姿」を先に押さえておきたい。

すべての観点が目指す到達点:SSoT(Single Source of Truth)

MA・SFAデータのあるべき姿は、一言でいえばSSoT(Single Source of Truth=信頼できる唯一の情報源)が成立している状態だ。AI Readinessを支える土台として最も重要なのが、このSSoTの成立である。

MA・SFAの世界におけるSSoTの出発点は、アカウント(企業)とパーソン(担当者個人)が、それぞれ重複なく一意に識別されていることにある。そのうえで、一人ひとりのパーソン・一社ごとのアカウントに、商談・活動・マーケティング接点といった関連情報が正しく紐づく。この状態が成立して初めて、次の3つのビューが手に入る。

  • シングルパーソンビュー:一人の担当者に、いつ・どのチャネルで・どんな活動や接点が発生しているかを、時系列で一望できる。
  • シングルアカウントビュー:一社に対して、どの担当者を通じて・どんな商談や接点が発生しているかを、企業単位で束ねて把握できる。
  • シングルチャネルビュー:ひとつのウェビナーや施策に、どのアカウント・どのパーソンが紐づいているかを、チャネルや活動の単位で捉えられる。

AIが「このパーソンは受注に近いか」「この企業に次は何をすべきか」を判断できるのは、いずれもこの一意性と紐づけが土台にあるからだ。逆に、同じ企業が複数レコードに散らばり、パーソンとアカウントの関係が曖昧なままでは、AIは「誰の・どの会社の行動なのか」を連続したデータとして認識できない。以下の5つの観点は、このSSoTという到達点に対して、自社がどこでつまずいているかを分解して確かめるためのレンズである。


観点①:CRMデータ構造の健全性

確認の問い:MA・SFAのフィールド定義は、全社で統一されているか。

CRMデータ構造の健全性とは、MAやSFAのフィールド設計が一貫したルールに基づいており、同じ情報が同じ場所に格納されている状態のことだ。

この観点が問題になるのは、システムが長年運用される中でフィールドが都度追加され、設計の一貫性が失われていくケースだ。たとえば「業種」を表すフィールドが複数存在し、それぞれ異なる分類体系で入力されていたり、同じ「担当者名」でもMAとSFAで別フィールドに格納されていたりする状況がこれにあたる。AIはフィールドの定義を自分で解釈することができないため、構造が乱れたデータからは正確な出力を得られない。

この観点は、前述したSSoTを支える最も土台に近い層でもある。フィールド定義が乱れていると、アカウントとパーソンを一意に識別できず、シングルパーソンビュー/シングルアカウントビューを描くための紐づけがそもそも成立しなくなる。


観点②:MA/SFAデータ連携の完全性

確認の問い:受注・失注の情報は、SFAからMAへ自動的に戻ってくるか。

前章で述べたMA/SFA間のデータ断絶は、この観点で診断する。単に「連携している」かどうかではなく、双方向のデータフローが設計通りに機能しているかが重要だ。

多くの企業でMA→SFA方向(リードを商談へ渡す)の連携は実装されているが、SFA→MA方向(受注・失注・フェーズ変化をマーケに戻す)の連携が抜け落ちているケースは多い。AIによるリード予測やスコアリングの高度化には、商談の結果データがMAに蓄積されていることが前提となる。

SSoTの観点では、この双方向連携は、アカウントやパーソンに商談・活動の"結果"を結びつける動脈にあたる。連携が片方向にとどまると、受注・失注という最も重要な事実が各アカウント・各パーソンの姿に反映されず、SSoTは「行動は見えるが結果が欠けている」不完全な状態になる。


観点③:データのアクセス性・鮮度

確認の問い:マーケ・営業・CSの各チームが、同じデータを同じタイミングで参照できるか。

AIが提案や予測に使うデータは、参照できる状態にあり、かつ十分に新しい必要がある。部門ごとにデータが分断されていたり、最新の情報を得るために手作業でエクスポートが必要だったりする場合、AIが実態とかけ離れたデータをもとに動作するリスクがある。

BtoBの現場ではとくに、営業担当者がSFAへの入力を後回しにする慣行がある場合に問題が起きやすい。商談の進捗や顧客の状況がリアルタイムで反映されていなければ、AIによる次のアクション提案や優先順位付けの精度は下がる。

SSoTは「全員が同じ一つの情報源を、同じ鮮度で参照できる」状態があって初めて機能する。部門ごとにエクスポートしたコピーで判断していたり、反映に時間差があったりすると、同じ企業でも部門によって見えている姿が食い違い、「唯一の情報源(Single Source of Truth)」という前提そのものが崩れる。


観点④:データガバナンス・オーナーシップ

確認の問い:データの定義・更新ルール・管理責任者が、明文化されているか。

データガバナンスとは、誰がどのデータを管理し、どのようなルールで更新・廃棄するかを組織として定めた仕組みのことだ。AI活用においてガバナンスが重要なのは、AIモデルの精度が学習データの一貫性に直接依存するからだ。

ガバナンスが整備されていない組織では、同じフィールドが担当者によって異なる基準で入力され、時間の経過とともにデータの品質が劣化していく。AI導入前にツールの仕様を確認するより先に、データの管理体制を確認することが本質的な課題解決につながる。

SSoTは一度作れば終わりではなく、運用の中で維持されて初めて価値を保つ。アカウント・パーソンを一意に保つための入力・名寄せの基準と、その基準を管理する責任者が定まっていなければ、時間とともに重複レコードが再び増え、いったん束ねた単一の顧客像はふたたび分裂していく。ガバナンスは、いわばSSoTの一意性と鮮度を守り続ける仕組みである。


観点⑤:AI活用の目的・KPI設計

確認の問い:「何をAIに解かせるか」と「成功の基準」が、事前に定義されているか。

AIツールを導入する前に、そのAIで何を実現したいのかを明確にしておくことは、データ整備の方向性を決めるうえでも不可欠だ。目的が曖昧なままAIを動かすと、どのデータを整備すべきかの優先順位がつかず、また出力の精度を評価する基準も持てない。

「リードスコアリングの精度を上げる」「失注予兆を早期に検知する」「最適な次のアクションを提案する」── 目的によって、整備が必要なデータの種類も範囲も変わる。たとえばリードスコアリングの精度改善を目的に据える場合、整備すべきデータはMAのスコアリングフィールドとSFAの受注・失注連携に絞られる。目的を先に定めることで、着手すべきデータの範囲が自然に絞り込める。AIの活用目的とKPIを先に定義することで、データ整備の投資対効果を説明できるようになる。Gartnerが2026年3月に公表した「AI価値創出の3本柱」――AI Ambition(どこまでAIに踏み込むかの方針設定)/AI-Ready Data/AI-Ready Workforce――の筆頭にAI Ambitionが置かれているのも、この観点の重要性を示している。


自社がどの観点に当てはまるかは、チェックリストで数えるよりも、実際の症状で見極めたほうが実態に近い。フィールドの重複や表記ゆれが複数の部署で常態化している、受注・失注の情報が営業からマーケに戻ってこない、担当者によってデータの入力基準がバラバラだ――こうした兆候が複数の観点にまたがって見られるほど、AIツールの選定よりも先にデータ構造の見直しに着手すべき段階にある。

最下段にSSoT(信頼できる唯一の情報源)を濃いグレーの帯の土台として置き、アカウントとパーソンの一意性、商談・活動・接点の紐づけを白抜き文字で示す。その土台の上に、観点①CRMデータ構造/②MA・SFA連携/③アクセス性・鮮度/④ガバナンス/⑤目的・KPI設計の5つのブロックが横一列に乗り、観点①②だけ淡いグレーで塗り分け、その上に「まず着手」のブラケットが渡された構造図。
最下段にSSoT(信頼できる唯一の情報源)を濃いグレーの帯の土台として置き、アカウントとパーソンの一意性、商談・活動・接点の紐づけを白抜き文字で示す。その土台の上に、観点①CRMデータ構造/②MA・SFA連携/③アクセス性・鮮度/④ガバナンス/⑤目的・KPI設計の5つのブロックが横一列に乗り、観点①②だけ淡いグレーで塗り分け、その上に「まず着手」のブラケットが渡された構造図。

AI Readinessを高める最初の一手

最初にやるべき3つのこと

5つの観点のうち、まず着手すべきは土台にあたる観点①(CRMデータ構造の健全性)と観点②(MA/SFAデータ連携の完全性)だ。ここが整っていなければ他の観点を改善しても効果が出にくい。具体的に着手する内容は、以下の3点が出発点になる。

フィールドの棚卸しと定義の統一。 MAとSFAの主要フィールドを一覧化し、同じ情報を指すフィールドが複数存在しないか、分類体系が統一されているかを確認する。まずは「業種」「企業規模」「担当者役職」など、スコアリングやセグメントに使うフィールドに絞って整理する。

主キー設計の確認(一意性の定義)。 その前提として、「何をもって同一アカウント・同一パーソンとみなすか」という一意性の基準を先に決めることが重要だ。企業なら法人番号やWebドメインやSFAのアカウントID、パーソンならメールアドレスなど、"同一と判定する主キー"を定めたうえで、MAのコンタクトとSFAのアカウント・商談が正しく紐づいているかを確認する。同一企業・同一人物が複数レコードに分かれる名寄せの問題は、AIが同一顧客の行動を連続したデータとして認識できない原因になり、シングルパーソンビュー/シングルアカウントビューの前提そのものを崩す。SSoTを築く出発点は、この「同一性の定義」にある。

双方向連携の設計と実装。 MA→SFAへのリード連携だけでなく、SFAの受注・失注・フェーズ変化をMAへ戻すフローが設計されているかを確認し、未整備であれば実装する。この連携があることで、AIがファネル全体のデータを学習できる環境が整う。

これらは全社的なシステム刷新を伴わずに着手できるものが多く、スコープを絞れば短期間で基盤の変化を実感できる領域でもある。


まとめ

AIを活用している企業は国内外で急増しているが、実際にビジネス成果につながっている企業はまだ少数にとどまる。その根本原因の大半は、AIに入力するデータの構造的な問題だ。突き詰めれば、アカウントとパーソンを一意に束ね、商談・活動・マーケティング接点を正しく紐づけたSSoT(信頼できる唯一の情報源)を築けているか――ここにAI活用の成否がかかっている。MA・SFAのフィールド定義の統一、双方向データ連携の整備、ガバナンスの確立という地味な基盤整備は、いずれもこのSSoTを成立させ、維持するための取り組みにほかならない。

よくある質問

Q. データ整備にはどれくらいの期間とコストがかかりますか。 A. 全社統合を目指すと大きくなるが、最初のユースケースに絞れば、MA/SFAのフィールド定義統一と双方向連携の設計から着手でき、大規模な改修なしで基盤の変化を実感できることも多い。まず診断で現状を把握し、スコープを見極めるのが近道だ。

Q. 5つの観点のうち、最初に着手すべきはどこですか。 A. 観点①(CRMデータ構造の健全性)と観点②(MA/SFAデータ連携の完全性)。AIが参照するデータの土台にあたり、ここが整っていなければ他の観点を改善しても効果が出にくい。

Q. データが完全に整うまでAI活用を待つべきですか。 A. 待つべきではない。全社のデータ品質を一律に引き上げるのではなく、最初のユースケースに必要な範囲だけを先行整備するアプローチが現実的だ。


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この記事を書いた人

石田 美乃
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2021年に入社し、ディレクターとして経験を積んだのち、現在はインサイドセールスとしてリード対応から商談設定までを担当しています。 お客様の課題感に寄り添い、信頼関係を築きながら最適なご提案につなげることを大切にしています。
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